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Writer's pictureTomoko Sato

海洋指導者教育の命脈を維持しよう

佐藤ジョン

2024年12月27日


ピーター金(金孝律)先生が12月22日に聖和されたと聞きました。私を含む米国ニューヨーク州やニュージャージ州で育った二世たちはみんな、ピーター金先生のお顔は必ず知っていると思います。私も若い時にいた米国海洋教会では、真のお父様が釣りをされるとき、ピーター金先生も必ずといっていいほど、共に釣りにいかれておられたので、数えきれないほどそのお顔を見たお方でした。お父様のお近くで海洋摂理の動向を数十年間見て来られ、共に海に行かれた数名の中の一人ではないかと思います。


(上:真のお父様の右側、ピンク帽子姿のピーター金先生、ニューヨークのハーフムーンベイにて) 


そのような金先生の自叙伝に、どれだけお父様が海洋摂理を受け継ぐ者たちを待ち焦がれていたか、という記述があります。み言葉でもこのような記述は多くありますが、これまで海洋摂理には失敗が多く、私たち食口たちがお父様を裏切り、多くの失望をさせてきたことをお父様は、「み旨と海」や「真の父母経第十篇」などで語られています。しかし、数十年の投入と失敗の繰り返しにもかかわらず、お父様は私たち食口に対する海洋訓練を諦めることなく、忍耐をもって変わらず最後まで、麗水、巨文島、ラスベガスで海洋訓練をされました。


ピーター金先生の自叙伝によると、お父様は最後に、数名の海洋摂理の「命脈を維持する」者たちがいることを望まれたようです。世界には数か所、まだ海洋摂理の基盤が大きくはないですが残されています。その基盤は世界の八億の食糧問題に瀕している人口を救うという巨大な目標と比べれば、海洋摂理の「か」の字ほども進んでいないと言えると思います。しかし、数えきれない真の御父母様の精誠が海洋にあり、多くのみ言葉と写真を残して下さったので、いつか「自分が海洋摂理の命脈になるんだ!」と意気込む孝情あふれる若者たちが出てくるのだと感じます。


ピーター金先生の自叙伝の中の証しは、将来のボートや海洋摂理を学ぶ若者たちに重要だと思い、下に紹介させていただきたいと思います。


「命脈を維持する」金孝律先生自叙伝より


真の父母様にお仕えする生活をしながら、本当に申し訳なく思うことがたくさんありました。御父母様が愛情を注いで、ある事業や地域に集中されている間は、多くの食口がその活動に参加し関心を持ちますが、真のお父様が摂理的に別の地域や事業に移ると、指導者や食口もいつの間にか既存の事業への関心を失ってしまうのです。そのため、問題が生した事業や地域について報告するときは、私は自分の過ちのように気まずくなりました。


二〇一〇年の春、麗水に降り立った日もそうでした。久しぶりに船に乗られた真の父母様は、船を操作する船長に「ボート運転資格証を取得した指導者たちは、ボートの運転をうまくやっているか」と質問されました。突然の質問に船長はもちろん、私もしばらく時が止まったかのように何の返事もできずにいました。


真の父母様は海洋摂理に深い関心を持たれ、海洋指導者教育に心血を注いでこられました。特に太平洋文明圏時代に備えて、二〇〇四年十一月から六十八回にわたって女性食口を中心に海洋指導者修練を開いてくださり、修練期間中に修練生たちが釣りを学び、ボート運転資格証を取得できるように教育されました。また、ボート運転資格証を取得した人々を海洋指導者として立て、その人々がボートを購入できるように支援されました。


真のお父様は約二百台のボートを食口に分け与えましたが、時間が経ち、その結果を調査してみると、ボートを直接運転しながら海洋指導者として活動している人はわずか二人しかいませんでした。家庭の事情や他の仕事で忙しく、ボートを運転する余力がなかったのです。そのような状況を直接報告する気が起こらず、誰もがはっきりとした答えを出せませんでした。


結局、真の父母様はもう一度船長に「なぜ答えないのか」と尋ねられました。船長は結局、「みな事情があって、今はボートを運転していません。本当に申し訳ありません。現在ボートを運転している人は二人だけだと聞いています」と報告しました。


実際にその船長の責任ではありませんが、真の父母様が海洋摂理をどれほど重要視され、海洋指導者を育てるためにどれだけ愛情を注いでこられたかを知っているので、その場にいた者たちはみな頭を下げるしかありませんでした。私も針のむしろに座っているような気持ちでした。


しかし、真の父母様は「それで十分だ。私の意を継ぐ一人、二人の人がいればそれでよいのだ。命脈を維持すればいいのだ」とおっしゃいました。その言葉を聞いた瞬間、胸に何か大きな衝撃を受けました。「御父母様の心はこういうものなのか。このような心情で摂理を導いてこられたのだな」という悟りを得たのです。


真の父母様は数多くの摂理を進めながらモデルを示されますが、それだけで一つの摂理が完成したり、成果が出たりするわけではありません。時にはむしろ一つの分野や一つの地域に集中して成果を出し、根を下ろすほうがよいのではないかと疑問を抱くこともありました。しかしその日、真の父母様のみ言を聞いて、その疑問に対する明確な答えを得ることができました。御父母様は、私たちが安着させなければならない全世界のあらゆる分野で、真の父母として摂理的に完成すべき道をすべて開いてくださる方です。私たちはその道を歩み、各分野で真の父母様のみ旨を完成すべき責任があります。すなわち、命脈を受け継いでいく責任があるのです。


(了)


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